2024年3月1日
摂取した鉄はFe2+、Fe3+やヘム鉄の状態で十二指腸に到達する。鉄欠乏時には、鉄の受容体の合成量が増し、より多くの鉄を取り込もうとする。鉄が十分あるときには、吸収された鉄は一旦粘膜細胞にフェリチンとして貯蔵され、絨毛細 […]
2024年3月1日
酸素分圧が高い地上では鉄は3価として存在するが、水に溶けにくい。しかし、ビタミンCによって還元されたFe2+は中性でも溶存できる。また、Fe3+はアスコルビン酸と錯体を作ることで可溶性となる。胃酸が持っているのは酸性化力 […]
2024年3月1日
胃切除やヘリコバクタピロリ菌感染、胃酸分泌抑制剤の内服などによって胃酸分泌量が低下すると鉄吸収が悪くなるため、鉄欠乏性貧血が起こりやすくなる。鉄は主に十二指腸から吸収されるが、吸収されるためには、鉄が可溶化していることが […]
2024年3月1日
スポーツ選手には鉄欠乏性貧血がかなりの頻度で見られる: ・溶血が亢進している ・活性酸素による赤血球の膜障害 ・肉体的、精神的ストレスによる消化管出血 ・汗からの喪失
2024年3月1日
乳幼児期、成長期:乳児は生後 3ヶ月で出下時体重の約2倍、1歳で約3倍となる。通常は、成長に見合うだけの鉄が、体内に貯蔵されて生まれてくるが、それでも蓄えが枯渇しやすい時期。未熟児の場合、生下時の鉄貯蔵量が少なく、腸管の […]
2024年3月1日
妊娠中の女性:妊娠中の鉄の摂取も非常に有効。妊娠中は循環血漿量が増加するため、貧血になりやすくなる。また、母親から胎児の栄養供給路である胎盤は妊娠16週頃に完成するが、この胎盤にトランスフェリンの受容体が発現する。これに […]
2024年3月1日
閉経前の女性:鉄は閉鎖的な代謝といわれ、体内の出入りはごく限られたものになっている。 鉄のInOutのバランスは、有月経女性はマイナス1mg/日、妊娠中の女性はマイナス2mg/日を付け加えることが重要。鉄を多く摂っていな […]
2024年3月1日
鉄を積極的に摂取するべき人は鉄の摂取量が足りない、もしくは鉄の吸収が悪いか、月経等による出血量が多くて鉄が足りない人、妊娠して赤ちゃんに鉄を持って行かれている人。
2024年3月1日
鉄のInOUTバランス: In(合計:1mg/日)→経口摂取される鉄は10mg、吸収率は10% Out(合計:1mg/日)→消化管より0.7mg+汗や脱落した表皮細胞より0.2mg+尿中排泄0.1mg Out(女性合計: […]
2024年3月1日
貧血、鉄代謝のモニターに必要な検査:赤血球、HB、Ht、MCV、MCHC、血清鉄、TIBC、フェリチン、CRP
2024年3月1日
鉄過剰症を呈する代表的な疾患である遺伝性ヘモクロマトーシスは、肝臓における鉄のセンサー遺伝子(HFE、TFR2、HJV)の変異による遺伝性のヘプシジン低下症。
2024年3月1日
ヘプシジンはマクロファージと骨髄間の鉄のリサイクルと、十二指腸からの鉄の取り込みを同時に抑制する。フェロポルチンという肝臓やマクロファージの細胞表面にある鉄の輸送体がある。これは、鉄を細胞外に放出する唯一の輸送体だが、ヘ […]
2024年3月1日
体内の鉄代謝の鍵を握っているのがヘプシジン。ヘプシジンは肝臓でつくられるペプタイドで、マクロファージや腸からの鉄の放出を邪魔する物質。鉄代謝異常による貧血はこのヘプシジンが引き起こしている。癌やリウマチなどの患者において […]
2024年3月1日
鉄は頻繁に入れ替わっており、リサイクルが少しでも滞れば造血に影響する。それを補うための貯蔵鉄が重要。本来血清には存在しない貯蔵鉄だが、フェリチンが水溶性の為に血清フェリチンが貯蔵鉄の量に比例して上下するため貯蔵鉄を測る指 […]
2024年3月1日
血清鉄は血中でトランスフェリンと結合しているが、その結合力は決して十分とは言えない。鉄によるフリーラジカル障害を防止するために、血清鉄は非常に少ない量で調整されているが、逆に言えば、血清鉄が増えすぎると、フリーラジカル障 […]
2024年3月1日
末梢血に存在する鉄は3-4mg (全体の0.1%位) に過ぎない。しかし、1日に20-25mgの鉄を入れ替える必要があるため、末梢血中の鉄は1日に10回近く入れ替わっているということになる。必要量に対してわずかしか存在し […]
2024年3月1日
成人では、体内に約3,000-4,000mg の鉄を持っている。赤血球の寿命は120日。赤血球の120分の1、鉄量20-25mgは毎日入れ替わっている。骨髄中の鉄が不足すれば、マクロファージ中の貯蔵鉄が血中へと移行し、ト […]
2024年3月1日
鉄代謝が原因となる貧血は2種類: ・体内の鉄の量が足りないためにおこる鉄欠乏性貧血。治療は鉄の補充。 ・体内で鉄の代謝が止まってしまうために起こる貧血。代表的な原因は体内の炎症。治療は炎症を抑える事であり、鉄補充をしても […]
2024年3月1日
体内で活性酸素(ROS)が発生する4大原因: ・ミトコンドリアで起きるのが一番困る ミトコンドリアではO₂をH₂Oに変換する中で効率よくエネルギーを作る。正常に働くと変換効率は98%だが、それでも 2%は活性酸素となる。 […]
2024年3月1日
トランスフェリンは循環を通して鉄を腸から骨髄や他の組織に運ぶ鉄タンパク複合体。分子量80,000で、1分子当たり2個までのFeを結合することができる。トランストランスフェリンの血中濃度はTIBC(Total Iron B […]
2024年3月1日
血中に逸脱した血中フェリチンは一般的には炎症の指標。
2024年3月1日
貯蔵鉄と血清鉄の変換は鉄の需要と供給に応じて速やかになされる。ヘモシデリンはフェリチンの凝集塊と考えられており、フェリチンは水溶性だが、ヘモシデリンは水に不溶。
2024年3月1日
フェリチンは、内部に鉄を貯蔵する中空部分と出入口をもっており、そのサブユニット間をFe(Ⅱ)が出入りしていて、フェロオキシダーゼによってFe(Ⅱ) ←→ Fe(Ⅲ) の変換反応が起きる。
2024年3月1日
フェリチンとはアポフェリチンと鉄イオンが結合したもののこと。アポフェリチンは分子量約450,000で24のサブユニットからなるタンパクで、特に肝や牌臓、骨髄の網内系組織に特に多く含まれる。フェリチンは鉄を生体内に貯蔵し、 […]
2024年3月1日
鉄はエネルギー代謝に不可欠であるが、活性酸素の発生源。それゆえに生理学的な鉄の可溶性が低いということが、効率的な鉄輸送、貯蔵システムを発達させている。鉄の毒性と可溶性を克服するためのしくみがフェリチン。フェリチンは偏在性 […]
2024年3月1日
血液検査で血清鉄の低下(基準値100前後)は、体内の炎症を意味する。
2024年3月1日
体内で反応性が一番高いのは血清鉄。血清鉄もトランスフェリンという鉄輸送タンパクと結合して運ばれるが、これはフェリチンと比べると結びつきが弱く簡単に外れて活性酸素発生の元になる。だから、体内に炎症がおきると体がいち早く反応 […]
2024年3月1日
例えば、酸素を運搬するヘモグロビン内のヘムは鉄の周囲をポルフィリン環が囲んでいて余計なものと反応させないようにしている。また、フェリチンタンパクは分子量46万の球形タンパク質で中心の空洞に鉄を保持して安定化に寄与している […]
2024年3月1日
高濃度ビタミンCの抗がん作用: ビタミンC点滴治療には抗がん剤としての働きがある。高濃度のビタミンCが鉄を還元し、その還元鉄がヒドロキシラジカルを生み出しがん細胞を攻撃するしくみ。G6PD欠損症など活性酸素を消去する力が […]
2024年3月1日
鉄は電子の受けわたしが得意なので、電子伝達系の複合体ⅣにシトクロムCに含まれている。しかし、反応性が高いのはいいことばかりではない。フェントン反応は体内で過酸化水素から悪玉活性酸素のヒドロキシラジカルが作られる反応だが、 […]