アルブミンは他の物質と結合することで、抗酸化物質としての作用を発揮する:
・ミネラルと結合
 鉄イオンや銅イオンは、酸素と反応して活性酸素を発生させる。
 遊離した鉄と過酸化水素が反応すると、毒性の強いヒドロキシラジカルが作られるフェントン反応などが有名。
 アルブミンは鉄イオンや銅イオンとくっついて、フェントン反応を防ぐという役割を果たしている。
・脂肪酸と結合
 アルブミンはリノール酸やα-リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸とくっつきやすいという特徴がある。
 アルブミンとくっついた脂肪酸は、過酸化反応を起こしにくい。結果、アルブミンは脂肪酸の酸化を防ぐことに貢献している。
・コレステロールと結合
 コレステロールは酸化するとオキシステロールとなる。オキシステロールは生理活性が高く、動脈硬化などを起こす原因になりやすい。
 アルブミンは、オキシステロールと結合する性質がある。アルブミンは酸化コレステロールとくっつくことで、その有害性を低減させている。
・ビリルビンと結合
 アルブミンは、ビリルビンと結合して脂質の過酸化を防ぐ働きをしている。アルブミンと結合したビリルビンはビタミンA、ビタミンEの保護作用がある。
・ホモシステインと結合
 ホモシステインはタンパク質の代謝物で、溜まりすぎると血管を老化させる直接的な原因となる。
 アルブミンはホモシステインと結合して、その悪い作用を弱める働きをしている。アルブミンの抗酸化活性は、ホモシステインに結合する能力に由来する。