血糖調節には腸管内で分泌される消化管ホルモンが深く関係しており、腸管から出ているインクレチンというホルモンが膵臓に働きかけて、インスリン分泌を刺激し、血糖を下げるように指令を出す。インクレチンの分泌が低下すると血糖を下げにくくなるため、高血糖になりやすい。逆に、膵臓・腸管から分泌されるグルカゴンというホルモンは、肝臓のグリコーゲンを分解して血液中に放出し、血糖を上げる作用がある。グリコーゲンを分解して、血糖を上げる仕組みは低血糖症の予防にとても重要な役割を果たしているが、グルカゴンの分泌が十分にできないと、血糖が下がりやすくなる。機能性低血糖症には、膵臓のインスリン分泌機能以外の様々な要因が関係しており特に、腸内環境が、消化管ホルモンを経由して、血糖調節機能に密接に関係していることがわかっている。