DNAは 2万3千個の文章が書かれた本である。ここを読んでください(ヒストンのアセチル化)、ここは読まないでください(ヒストンのメチル化)という付箋がついている。一部の文章は読めないように伏せ字にされている(DNAメチル化)。その結果、同じ文章が書かれた本であっても読み出される内容(作られるタンパク)は変わる。読んだ文章に対応する遺伝子が働き、読まない文章に対応する遺伝子は働かない。その結果、作られるタンパクや細胞によって性質が異なる。文章の内容(遺伝情報)は両親から受け継ぐが、この本の付箋や伏字の場所は受精時に新たに決まりそれが一生続く。環境因子によっても(酸化ストレスなど)あとから書き換えられる。