重金属を評価する検査方法:
毛髪ミネラル検査
基本的に有機水銀 (魚または、メチル化した歯科金属)の曝露量+排泄能力(遺伝子、グルタチオン濃度で決まる)を見る。検査結果で高値であれば、高曝露量も多いが排泄能力も高いことが推測できる。検査結果で低値だと、曝露量は不明だが体内の排泄能力が低いことが推察される。自閉症児に多く、血中GSH(グルタチオン)、システイン濃度も低い場合が多い。水銀は、必須の微量ミネラルに干渉するが、特に重要なものが亜鉛とマンガン。マンガンは水銀とカルシウムによってその作用が干渉される。水銀が細胞膜上で化学物質と結合している場合、毛髪分析にてカルシウム↑、マンガン↓、水銀↓のパターンが出現する。また、カリウム↓の場合には、情緒障害、てんかんなどの神経系疾患が現れやすい。
注意:毛髪には外部汚染の影響も少なからず含まれる(特に鉛とカドミウム)。髪の毛の色と含有重金属には相関があるという報告もある(赤毛の人には鉛、銅、水銀、ヒ素の含有量が多い)。
尿中重金属排泄検査
血中のイオン化水銀がオーバーフローしたもの。DMSAや EDTA、DMPSなどを用いた負荷前と負荷後の検査結果がある。
・負荷前→曝露量+排泄能力(遺伝子、グルタチオン濃度で決まる)をみる
・負荷後 →各キレーション剤を用いた際の治療効果判定の指標となる
・負荷前と負荷後の違いを見る
尿中ポルフィリン検査
ヘムの合成が重金属などによって阻害されると、中間体であるポルフィリン類が、蓄積している重金属の種類に応じて体内に蓄積する。この蓄積物が尿中に排泄されるのをみる検査。
デトックス遺伝子検査
水銀は骨や組織中に多く、通常は血液中に安定して存在しない。血中水銀測定を出来るのは、アマルガム除去時などやキレーション剤を投与したときなどに限られる。体内の重金属蓄積量を評価できる検査は尿中ポルフィリン検査だけ。
毛髪ミネラル検査、尿中重金属排泄検査、デトックス遺伝子検査は全て排泄能力をみる検査だが、特に毛髪ミネラル検査、デトックス遺伝子検査はその人の持っている排泄力を見る検査。