硫黄を含むアミノ酸のシステインから合成されるメタロチオネインには、有害重金属を捕らえる重要な働きがある。メタロチオネインは、金属結合性のタンパク質。システイン及びシスチン部のスルフヒドリル基(-SH)やジスルフィド基(-S-S-)が、金属イオン(水銀やカドミニウム)と結合し、生体の毒物などに対する制御作用物質として働く。メタロチオネインは細胞質に存在し、カドミウム、水銀、鉛、銀、銅、金などの金属イオンが存在するとそれらの重金属と結合し、爪や毛髪からの排出を促進させる。例として、硫黄はセレニウムと、-S-Se-S-という結合部分を作り、水銀や砒素、鉛、カドミウムの無害化隔離を行なう。