細胞膜を構成する不飽和脂肪酸の種類によって、刺激を受けたときに生成されるプロスタグランジンの種類が異なる。例えばC18:3なら炭素鎖数18:二重結合数3。リノール酸を原料として、アラキドン酸を合成する経路とEPA、DHAを合成する経路がある。リノール酸からαリノレン酸への転換酵素は人にはなく、植物しか持っていない。
ヒトにとってはリノール酸だけでなく、αリノレン酸も必須不飽和脂肪酸になる。1系(γリノレン酸)、2系(リノール酸)と3系(αリノレン酸)は互いに交わるところがないので、別々に摂取する必要がある。
ヒトでは、炭素鎖の延長酵素は活性が強いが、二重結合を増やす不飽和化酵素の活性は低い。補酵素を補うことで、経路がスムーズに進むヒトも多いが、アトピーのヒトなどでは酵素活性自体が極端に低下しているヒトもいる。そこから考えると、不飽和化酵素によって転換される、γリノレン酸やエイコサペンタエン酸は準必須の不飽和脂肪酸ということができる。
