葉酸はそのままでは活性がなく、還元型のテトラヒドロ葉酸(THF)が活性型。葉酸の働きのひとつはプリン体合成。葉酸がホルミル基を供給することでプリン体が合成される。プリン塩基にリボース(糖)が結合したものをヌクレオシド、更にリン酸基が結合したものをヌクレオチドという。DNAはヌクレオチドが連なったもの。葉酸の活性化形態であるテトラヒドロ葉酸やフォリン酸にはプリン体をつくり、DNA合成を助ける役割がある。ビタミンB12、葉酸不足共にDNAの合成障害を引き起こす。赤血球も合成障害を引き起こし大球化するため、ビタミンB12、葉酸不足はMCVが上昇する。この細胞分裂障害は、様々な影響を引き起こすが、細胞分裂が一番盛んな胎児期への影響が特に強い。葉酸不足が与える一番深刻な影響は妊産婦における神経発達障害(二分脊椎などの神経管閉鎖障害)。