果糖はブドウ糖と違い、肝臓で中性脂肪合成に使われる。体内で最も効率良く中性脂肪になるのが果糖。肝臓で合成された中性脂肪は、VLDLとなって全身の脂肪細胞へと送られる。全身の脂肪細胞は、肝臓で合成された中性脂肪を受け取って貯蔵する。肝臓で合成された中性脂肪を脂肪組織が受け取り、脂肪組織の中性脂肪貯蔵量がいっぱいになると、レプチンが分泌され食欲が抑えられる。ところが果糖の甘み刺激は視床下部の摂食中枢を変化させ、満腹感を感じにくくさせて過食を引き起こす。果糖は肝臓で中性脂肪となる。脂肪組織の貯蔵量がいっぱいになり、レプチンが分泌されても食欲が止まらず過食を起こしてしまうことをレプチン抵抗性という。ブドウ糖はレプチン抵抗性を引き起こさないが果糖はレプチン抵抗性を引き起こす。レプチン抵抗性によって過食が起こり、さらに果糖を取り続けると、肝臓に中性脂肪が蓄積する。これが非アルコール性脂肪肝となり、過度の脂肪を蓄えた肝細胞は炎症を起こし、炎症性細胞浸潤を引き起こす。また脂肪組織でも、インスリン抵抗性が生じると過度のインスリン分泌が起こり、脂肪細胞に過度に中性脂肪が詰め込まれることによって、肝臓同様慢性炎症が起こり、炎症性細胞浸潤を引き起こす。