ヒストンのメチル化・アセチル化:
DNAは引き延ばすと1.8mほどの二重らせん状のタンパク質。直径100分の1mmという極めて小さいボールの中に収納されているが、ヒストンと呼ばれる球状タンパク質に巻き付くことで、からまない構造になっている。このヒストンとDNAがくっついた数珠状のヌクレオゾームの配置をクロマチンと呼んでいる。このヒストンにアセチル基がくっつく事によって遺伝子の発現が起こる。遺伝子が発現するためには遺伝子の転写(DNAをRNAポリメラーゼがRNAにコピーすること)がまず起きなくてはならない。そのためには、ヒストンからDNAが分離し、RNAポリメラーゼの様な巨大な分子が遺伝子付近にアクセスできることが必要。クロマチン構造が開けば遺伝子が発現しやすくなる。DNA鎖は酸性で、ヒストンは弱アルカリ性でゆるく接着している。ヒストンにアセチル基がつくと、ヒストンのpHを下げ、ヒストンがDNAと離れやすくなり、クロマチン構造が開く。それで遺伝子発現が起きやすくなる。ヒストンがアセチル化されていれば遺伝子発現が起こる。ヒストンがメチル化されていれば遺伝子発現は起こらない。