子宮内膜症の原因は不明とされているが、エストロゲンを増やす環境要因に負うところが多いとされている。要因として内分泌かく乱物質への暴露、免疫失調と慢性の炎症、アロマターゼ酵素の増加を有力視している。
内分泌かく乱物質にはエストロゲンと同じ働きがある:
エストロゲンは女性ホルモンの一種で、生殖に関わる他に子宮内膜など細胞の増殖を促す働きを持っている。特にエストラジオールには強い作用がある。エストロゲンが働くためにはエストロゲン受容体に結合する必要がある。エストラジオールと構造が似ている内分泌かく乱物質(重金属、ダイオキシン、有機汚染物質、フタル酸エステルなど)も受容体に結合し、同様に子宮内膜を増殖する働きがある。
ビスフェノールA(樹脂の原料):
合成エストロゲンの1つとして研究されていたこともあるプラスチックの材料。水・食品の容器や、壊れにくいため哺乳瓶や歯科材料にも使用されている。酸性や高温の液体に接触すると溶け出す。
ダイオキシン:
毒性の強い有機塩素化合物で、特にプラスチックを燃やすと発生する。
重金属:
鉛、カドミウム、水銀は内分泌かく乱物質である可能性が高いと言われている。
火力発電所が増加により大気に放出される水銀が増加している。大気から海に落下した水銀は生物濃縮し、特に食物連鎖の頂点に位置する大型魚に蓄積する。
カドミウムは、土壌に蓄積しており、農作物から吸収される。特に気を付けるべきは玄米。制汗剤のアルミニウムは乳房に蓄積し、細胞増殖に影響する。