食事中のカルシウムは胃酸でカルシウムイオン(Ca2+)になり小腸に移行する。小腸粘膜表面内はマイナス荷電されており、カルシウムイオンは腸壁に張り付いて吸収されない。腎臓は、活性型ビタミンD3を小腸に送りCBP(Ca輸送タンパク)を形成し、Ca2+を包み込む。Ca2+の荷電は絶縁され、小腸壁から取り込まれる。カルシウムが十分あるときはビタミンD3活性化されず、CBP形成されないため、腸管壁のCaはターンオーバーと共に排泄される。牛乳中のCaは吸収効率が優れている。これは牛乳中に含まれるカゼインの分解産物であるCPP(カゼインフォスフォペプタイド)がCaと可溶性の結合物をつくることによって、小腸下部における弱アルカリ性pH域でのリン酸Caの沈澱を防ぎ、Caの吸収を助けるため。牛乳は急激な血中カルシウム濃度上昇を引き起こす可能性がある。