タンパク栄養の難しい点:
・消化吸収が難しい
タンパク質の消化吸収には十分な胃酸、消化酵素の分泌が欠かせない。炭水化物、脂質は口腔内のアミラーゼ、リパーゼで消化が始まるのに対して、タンパク質の初期消化は胃で行われる。胃酸分泌の悪い人、40代以降の人にと って、多くのタンパク吸収は困難なことも多い。消化酵素自体もタンパク質から出来ているため、タンパク質代謝が悪い人は消化酵素の分泌も低下している。また、未消化のタンパク質は有毒アミンを産生し、腸内環境を悪化させ、免疫を低下させる。トップアスリートと体内に炎症を持つ患者は両者ともタンパク需要は増えているが、消化吸収能力が旺盛な前者にはプロテイン、後者には消化酵素サプリでのアプローチが妥当。
・アンモニアの処理は大変
タンパク質は脂肪、炭水化物と異なりその構造の中に窒素を含む。窒素は尿素窒素として肝臓でアンモニアに代謝され排泄されるが、この負担はかなり大きい。エネルギー効率においては炭水化物の方がすぐれている。特に便秘傾向の人はアンモニアの負担が大きくなるので注意が必要。
・リサイクルシステムへの影響
タンパク質の過剰摂取はオートファジー機構を抑制し、小胞体ストレスの原因になる。足りない栄養素=必要な栄養素ではない。タンパク質においては特に当てはまる。